オトナと子どもでは、同じVPDでも症状や接種スケジュールが異なります。オトナのVPDとワクチンについて解説します。
RSウイルス感染症は、発熱、せき、鼻水などの呼吸器感染症で、乳幼児が最もかかりやすく、2歳までにほぼ全員がかかると言われています。生後6か月未満、特に生後1~2か月に感染すると気管支炎や肺炎となり、入院することが多く報告されています。子どもから成人まで感染しますが多くは軽症で済みます。しかし、高齢者が感染すると重症となる場合があります。
RSウイルスワクチン
【任意接種】RSウイルスワクチン1回(妊婦、60歳以上)
接種によりママの体内で作られた抗体が胎盤を通じて赤ちゃんに移行し、赤ちゃんのRSウイルス感染を予防します。対象は妊娠24~36週の女性で、中でも望ましいのは妊娠28~36週の接種です。
RSウイルスワクチンは、2026年度から妊娠中の女性が定期接種で受けられる見込みです。
小児期以降の感染の多くは軽症で済みますが、高齢者が感染すると重症となる場合があります。慢性心疾患・呼吸器疾患(COPD、喘息)を持つ方は特に重症化しやすく、注意が必要です。肺炎や細菌の二次感染を合併することがあり、入院や死亡のリスクや高齢者施設の集団感染のリスクが高まります。ワクチン接種については、かかりつけ医と相談しましょう。
(2025年12月更新)