シニア世代のワクチンで防げる病気

60代以降、命や健康、QOLにかかわるVPDがあります。

流行中のVPD 新型コロナウイルス感染症

シニア世代が注意すべきVPD

高齢者のインフルエンザは重症化や肺炎球菌感染症(肺炎)などを併発しやすくなります。重症化による入院や死亡を減らすために、インフルエンザワクチンと高齢者の肺炎球菌ワクチンをあわせて受けましょう。

ポイント 予防・ワクチン
インフルエンザ
  • 毎年、冬に流行し、体力、免疫力が低下すると感染リスクが高まる。
  • 入院や肺炎などの合併症を予防するためにワクチンを接種。

毎年秋にインフルエンザワクチン1回

【定期接種:65 歳以上】インフルエンザワクチン1

新型コロナワクチンと同時接種可

高齢者の肺炎球菌感染症
  • 感染すると気管支炎、肺炎、敗血症などの重い合併症を起こす。
  • インフルエンザワクチンも忘れずに接種。
  • 接種スケジュールは、かかりつけ医と相談。

・13価肺炎球菌ワクチン「プレベナー13」:65 歳以上および全年齢の肺炎球菌による病気の罹患リスクが高い人1回

・23価肺炎球菌ワクチン「ニューモバックス」:65 歳以上および2歳以上で肺炎球菌による重い病気の罹患リスクが高い人1回。5年ごとに接種。


【定期接種:65 歳以上および60歳以上65歳未満で肺炎球菌による病気の罹患リスクの高い人】 23価肺炎球菌ワクチン「ニューモバックス」1回

体力、免疫力の低下でかかりやすいVPD

加齢とともに体力や免疫力が低下して、VPDにかかりやすくなります。特に百日せきのせきや、帯状疱疹後の神経痛はつらい症状が長く続くので、ワクチンでの予防をおすすめします。

ポイント 予防・ワクチン
百日せき
  • 百日せきに対する免疫力が低下して、大人の百日せきが増加。
  • 乳児がかかると命に関わるため、周りの者がうつさないことが重要。
  • 周囲に妊婦や低月齢の乳児がいる人は、三種混合ワクチンの接種がおすすめ。

三種混合ワクチン3回


【追加接種(三種混合ワクチン3回接種者)】三種混合ワクチン1回

日本脳炎
  • 日本脳炎ウイルス感染のブタから蚊を媒介して感染。アジアでは広く流行がある。
  • ワクチン未接種者はワクチン接種(北海道在住も含む)。
  • 日本脳炎の流行地への渡航の際には追加接種が必要。

日本脳炎ワクチン3回


【追加接種(日本脳炎ワクチン3回接種者)】日本脳炎ワクチン1回

破傷風
  • ガーデニングの流行などの影響もあり、大人の破傷風が増加。
  • 1967年以前は定期接種でないため、未接種者は複数回のワクチン接種が必要。

三種混合ワクチンまたは破傷風ワクチン3回


【追加接種(三種混合または破傷風ワクチン3回接種者)】二種混合ワクチンまたは破傷風ワクチン1回

帯状疱疹
  • 水痘(みずぼうそう)にかかったことがある人の免疫力が低下すると体内の水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化し、帯状疱疹の発症リスクが高まる。
  • 強い痛みを伴う帯状疱疹後神経痛が長期間にわたって残ることがある。
  • 帯状疱疹ワクチンは、帯状疱疹の予防効果が高い。接種費用は2回で5万円程度かかる。(水痘ワクチンは1回1万円程度)

帯状疱疹ワクチン(不活化ワクチン):50歳以上2回


水痘ワクチン(生ワクチン):50歳以上1回

夫婦、家族間で感染しやすいVPD

パートナーがB型肝炎キャリアの場合には、直ちにワクチンを接種します。同居の家族にいる場合には、子どもから高齢者まで家族全員がワクチンを接種します。(血液検査の要否については医師とご相談ください)

ポイント 予防・ワクチン
B型肝炎(急性肝炎、慢性肝炎)、肝臓がん、肝硬変
  • B型肝炎ウイルスに感染し急性肝炎をおこす。一部は劇症肝炎で重症化する。
  • 欧米型のB型肝炎ウイルスは、成人の感染でも慢性化するリスクが高い。
  • 家族内や性交渉などでB型肝炎ウイルスに感染し、一部がキャリア化する。
  • 家族やパートナーがB型肝炎キャリアの場合は直ちにワクチンを接種。

B型肝炎ワクチン3回

※2016年から定期接種(0歳)

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