シニア世代が注意すべきVPD
高齢者のインフルエンザは重症化や肺炎球菌感染症(肺炎)などを併発しやすくなります。重症化による入院や死亡を減らすために、インフルエンザワクチンと高齢者の肺炎球菌ワクチンをあわせて受けましょう。
| ポイント |
予防・ワクチン |
| インフルエンザ |
- 毎年、冬に流行し、体力、免疫力が低下すると感染リスクが高まる。
- 入院や肺炎などの合併症を予防するためにワクチンを接種。
- 2026年10月1日から75 歳以上の成人を対象に高用量インフルエンザワクチン「エルフエルダ」が定期接種に導入予定(60歳以上は任意接種)。
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インフルエンザワクチン
毎年秋に接種
【定期接種】1回:65 歳以上、 60〜64歳で基礎疾患がある方(心臓・腎臓・呼吸器の機能障害、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害)
【任意接種】1回
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| 新型コロナウイルス感染症 |
- 2019年末頃から世界中で流行している。現在は比較的落ち着いているが、地域によっては依然として流行が見られる。¹⁾
- ウイルスの株によって症状や重症度が変わる。
- 年齢や性別、基礎疾患の有無、コロナ発症時の重症度に関わらず、新型コロナウイルス感染症の回復後に、せきや倦怠感、精神症状などの後遺症がみられる。
- 2025年度から国から自治体への助成がなくなったため、個人負担が高くなる自治体がある。
¹⁾https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/rapid/2025/11/index.html
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新型コロナワクチン
【定期接種】1回:65 歳以上、 60〜64歳で基礎疾患がある方(心臓・腎臓・呼吸器の機能障害、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害)
【任意接種】1回
新型コロナワクチンの未接種者は2回
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| 肺炎球菌感染症 |
- 感染すると気管支炎、肺炎、敗血症などの重い合併症を起こす。
- 接種スケジュールは、かかりつけ医と相談。
- 23価肺炎球菌ワクチンは、初回接種後5年後以上経過すると抗体価が低下するため、5年後に再接種を推奨。
- 2026年4月から、高齢者肺炎球菌の定期接種ワクチンが20価の結合型ワクチン(プレベナー20:PCV20)へ変更される。
- プレベナー20は1回の接種で長期間の免疫と高い予防効果が期待でき、2025年度までのニューモバックス(PPSV23)接種者も1年以上空ければ追加接種可能。
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肺炎球菌ワクチン
【定期接種】1回:「プレベナー20」
65 歳以上、60〜64歳で基礎疾患がある方(心臓・腎臓・呼吸器の機能障害、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害)
【任意接種】1回
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| RSウイルス感染症 |
- RSウイルス感染症は、発熱、せき、鼻水などの呼吸器感染症で、乳幼児が最もかかりやすく、2歳までにほぼ全員がかかる。免疫が低下する高齢者も感染しやすい。
- 慢性心疾患・呼吸器疾患(COPD、喘息)を持つ方は特に重症化しやすく、注意が必要。
- 高齢者施設の集団感染や慢性疾患を持つ人の感染のリスクが高く、肺炎や入院に至ることもある。
- 高齢者向けのRSウイルス感染症のワクチンには、アレックスビー、アブリスボの2種類がある。
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RSウイルスワクチン
【任意接種】1回:60歳以上
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体力、免疫力の低下でかかりやすいVPD
加齢とともに体力や免疫力が低下して、VPDにかかりやすくなります。特に百日せきのせきや、帯状疱疹後の神経痛はつらい症状が長く続くので、ワクチンでの予防をおすすめします。
| ポイント |
予防・ワクチン |
| 百日せき |
- 百日せきに対する免疫力が低下して、大人の百日せきが増加。
- 2024年以降顕著な増加傾向が続き、2025年の患者報告数は全数把握となった2018年以降で過去最大となっている。
- 乳児がかかると命に関わるため、周りの者がうつさないことが重要。
- 周囲に妊婦や低月齢の乳児がいる人は、三種混合ワクチンの接種がおすすめ。
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三種混合ワクチン(DTaP)
【任意接種】1回
※日本では成人用三種混合ワクチンTdapは承認されてない
五種混合ワクチン
【定期接種】4回:0歳、1歳
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| 日本脳炎 |
- 日本脳炎ウイルス感染のブタから蚊を媒介して感染。アジアでは広く流行がある。
- 高齢者は抗体保有率が低く、発症数に占める高齢者の割合が高い。
- ワクチン未接種者はワクチン接種(北海道在住も含む)。
- 日本脳炎の流行地への渡航の際には追加接種が必要。
https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/article/jp-encephalitis/010/jpen_250829.pdf |
日本脳炎ワクチン
【任意接種】1回
日本脳炎ワクチン未接種者は3回(初回2回+追加1回)
【定期接種】4回:1期3回、2期1回
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| 破傷風 |
- ガーデニングの流行などの影響もあり、大人の破傷風が増加。
- 1967年以前は定期接種でないため、未接種者は複数回のワクチン接種が必要。
- ワクチンの免疫力が低下するので、最後に受けてから10年以上経過している場合は追加接種。
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三種混合または破傷風ワクチン
【任意接種】1回
破傷風のワクチン未接種者は3回
五種混合ワクチン
【定期接種】4回:0歳、1歳3回
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| 水痘 |
- 空気感染し感染力がたいへん強く、ワクチン未接種者が感染するとほぼ発症する。
- 成人の初感染は、重症化しやすく入院リスクが高い。
- 症状は、高熱、倦怠感、重篤感が強く、多くの水疱を生じる。合併症として水痘肺炎、水痘の重症度に関係なく水痘脳炎の報告がある。
- 高齢者では、すでに感染したことがある人の再感染があり、初感染と同程度の症状が出る場合がある。
- かかったことのない人は、ワクチンを2回接種。
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水痘ワクチン
【任意接種】2回
【定期接種】2回:1~2歳
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| 帯状疱疹 |
- 水痘(みずぼうそう)にかかったことがある人の免疫力が低下すると体内の水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化し、帯状疱疹の発症リスクが高まる。
- 強い痛みを伴う帯状疱疹後神経痛が長期間にわたって残ることがある。
- 帯状疱疹ワクチンは、帯状疱疹の予防効果が高い。
- 接種費用は自治体によって異なる。一般的に帯状疱疹ワクチンの方が水痘ワクチンよりも接種費用が高い。
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帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹ワクチン(不活化)2回、水痘ワクチン(生)1回
【任意接種】1~2回:50歳以上
【定期接種】1~2回:65 歳以上、60〜64歳で基礎疾患がある方(心臓・腎臓・呼吸器の機能障害、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害)
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| 髄膜炎菌感染症 |
- 小児、10代後半~20代前半とともに高齢者がかかりやすい。
- 発症後は急激に悪化して、死亡や四肢切断などの後遺症を残すリスクが高い。
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髄膜炎菌ワクチン
【任意接種】1回
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夫婦、家族間で感染しやすいVPD
パートナーがB型肝炎キャリアの場合には、直ちにワクチンを接種します。同居の家族にいる場合には、子どもから高齢者まで家族全員がワクチンを接種します。(血液検査の要否については医師とご相談ください)
| ポイント |
予防・ワクチン |
| B型肝炎(急性肝炎、慢性肝炎)、肝臓がん、肝硬変 |
- B型肝炎ウイルスに感染し急性肝炎をおこす。一部は劇症肝炎で重症化する。
- 欧米型のB型肝炎ウイルス(ジェノタイプA)は、成人の感染でも慢性化するリスクが高い。
- 家族内や性交渉などでB型肝炎ウイルスに感染し、一部がキャリア化する。
- 家族やパートナーがB型肝炎キャリアの場合は直ちにワクチンを接種。
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B型肝炎ワクチン
【定期接種】3回:0歳
【任意接種】3回
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ジフテリア・ポリオワクチンについて:これまでに感染したことがなく、ワクチン接種の確認ができない人はワクチン接種で免疫をつけVPDを予防するためにワクチン接種をおすすめします。
(2026年3月更新)