オトナと子どもでは、同じVPDでも症状や接種スケジュールが異なります。オトナのVPDとワクチンについて解説します。
百日せきは、百日せき菌に感染しておこる、感染力のたいへん強いVPDです。思春期の大人ではかかっても軽症ですが、せきが止まらないためにつらくなることもあります。特にワクチン接種前の新生児や乳児が感染すると重症化して命にかかわります。3か月以下の乳児が感染すると、せき込むというより、呼吸を止めてしまい、脳に酸素が届かなくなることがあり、死亡したり後遺症を残すことが多くなります。
三種混合ワクチン 3回(0歳・1歳は定期接種4回)
2024年以降、百日せきの患者数は増加傾向にあります。とくに2025年の患者数は過去最大となっています。国立健康危機管理研究機構の公表データでは、2025年7月13日までの1週間では全国で3682人となり、2018年の統計開始以降で最も多い数を示しています。流行とともに、特に乳児の入院、死亡例の増加がみられます。
また、抗菌薬が効かない耐性菌の感染もみられ、重症化リスクの高い乳児やその兄弟、家族へのワクチン接種が重要となります。
11~12歳には、定期接種でジフテリアと破傷風予防の二種混合ワクチンを接種することになっています。しかし、二種混合ワクチンには百日せきワクチンが含まれていないために、小学校高学年や中学生になると百日せきにかかりやすくなっています。百日せきを予防するために、二種混合ワクチンの代わりに三種混合ワクチンを任意接種で受けることも検討しましょう。
米国では、妊婦を対象に成人用三種混合ワクチンの接種を推奨したところ、新生児や乳児の百日せきが減少しました。日本でも、誕生後の赤ちゃんを守るために、妊娠中に三種混合ワクチンの接種の検討が必要です。
百日せきを予防する三種混合ワクチン(DTaP)は、全年齢で接種でき、妊婦も接種することができます。妊娠中の接種については、かかりつけ医とご相談ください。
現役ミドル世代やシニア世代は、百日せきにかかったことがあっても、免疫力は時間の経過とともに低下しています。百日せきは、せきが長引くためつらく、体力を消耗します。また、軽症であっても周りの人にうつします。
もう一度ワクチン接種で免疫力を高めましょう。特に、お孫さんが生まれる前には接種を済ませておきましょう。
三種混合ワクチンは、破傷風とジフテリアの免疫力も同時に強化できます。
(2025年12月更新)